今回は、食事やダイエットを考える時、一体何を中心に考えれば良いのか?
クアンタム・イールドとは?
クアンタム・イールドとは、日本語に訳すと量子収量となりますが、何を言っているのかサッパリ分らないと思います。
我々が消費するエネルギーをギュッと凝縮して考えると、それは結局「クアンタム・イールド」であるということが言えます。
生きているということはエネルギーが満ちているということです。
大雑把に言って、エネルギー量が向上すれば健康になり、低下すれば病気になります。
エネルギーが無くなった状態が死ですね。
食べることはエネルギーを得るために必要な行為の一つですが、エネルギーの観点からすると、三大栄養素や個別栄養素といった従来的な枠組みで考える限り、最初から道を誤ることになります。
下の図は、我々の血、赤血球に含まれるヘモグロビン(左)と植物の葉っぱに含まれる葉緑素、クロロフィル(右)を並べたものです。
ヘモグロビンもクロロフィルもほぼ同じもの(ポルフィリン)であり、主な違いは、中心部にあるミネラルが赤血球では鉄、クロロフィルではマグネシウムであるということだけです。
どちらも光で作動する素子であり、クロロフィルが光のエネルギーを利用して光合成の原動力とすることは誰もが知っています。
しかしヘモグロビンがクロロフィルの「強化版」的なものであることは周知されていません。
ヘモグロビンも、植物におけるクロロフィル同様、動物の原動力の一つであり、身体の隅々まで血液が通う様は、太陽エネルギーが身体の隅々まで行きわたるという感覚です。
貧血でふらふらするのは当然ですね。
マグネシウムには電子が12個ありますが、鉄には26個あります。
それ故、光を受けた時に蓄えられるエネルギーを比べた場合、ヘモグロビンの方が大幅に大きくなるわけです。
よりクアンタム・イールドの高いヘモグロビンを使用する動物の方が、植物よりも複雑な組織を構築することが出来ます。
食事をするということは、口から入れたモノそれ自体を燃焼させるというよりも、組織の材料を入れるという意味合いの方が強いと考えて下さい。
だから、食べさえすれば元気が出るということは無く、ただ単に太ることが多くなります。
エネルギーを消費するということにおいて、従来的な栄養学では、食物を酸化した時に発せられる熱量(カロリー)や生産されるATP量のみが語られますが、ここには太陽エネルギーも水も登場しません。
光合成、即ち太陽エネルギーのクアンタム・イールドの集積が植物であり、動物がそれを食べることは、植物に保存された太陽エネルギー(クアンタム・イールド)を取り入れることです。
そうやって取り入れられたQY(クアンタム・イールド)は、動物の体内で可能な限り脂肪として蓄えられます。
従って動物の脂肪はQYが最大に集積されたものであり、我々がことさらに美味と感じ、珍重するのも無理はありません。
霜降り肉しかり、マグロのトロしかり、魚油しかり。
またあらゆる色素が体内で「アンチオキシダント」として働くのは、クロロフィル同様、QYが高いということです。
青色はビルベリー等に代表されるプロアントシアニジン、赤ならトマト・リコピン、黄色はカロチン、緑色はクロロフィル、紅色はオキアミのアスタザンシンとして、アンチオキシダント効力の高い物質となります。
ヘモグロビンとクロロフィルの核となる金属において、鉄の電子数が多いことが高QYを示すと言いましたが、アンチオキシダント効力も結局はフリーラジカルを安定させるために使える電子数の勝負です。
しかも、QYを軸にすると高エネルギーと抗酸化力は同義であり置換して考えることが出来ます。
QYが我々の活力、抗酸化力、アンチエイジング力、病気の克服力などの全てであり、しかも同じものであることが分かります。
我々が細心の注意を払っている各栄養素は、QYが最大になるよう調整するために必要なものであるということです。
多くの抗酸化物質が植物の表面にあるのは、太陽エネルギーを受け取るのがそこであるということに尽きます。
ピコノジェノルは松の皮、ベリー系のアンチオキシダントも、野菜のアンチオキシダントも殆ど全てが皮にあります。
あらゆる野菜や果物をジュースにして飲むことで癌を克服したとして、ジューシングを提唱する人は多いです。
これらの人が共通して推奨するのが、スイカでもメロンでも、皮をジュースにして飲むということですね。
皮を普通にかじって食べられない野菜や果物は多いですが、90%以上のアンチオキシダントは皮にあります。
太陽光を受けるのがそこですから、そこに殆ど全てのQYがあります。
カロリーではありません。
ATPの冷却効果
ATPには多数の役割がありますが、その一つの役割として生体バッテリーの発熱を防いでいるということ、つまり冷却の一助を担っているということが挙げられます。
人間は、ATPをうまく造れないと発熱して死んでしまいます。
寒い地方の人種では、低温に耐えるため、UCPというタンパク質を製造する能力があります。
このUCPもATPの生産を阻害して発熱させる効果があります。
UCPを製造できる人は、ダイエットの際、寒さに耐えて震えることで、UCP製造のスイッチをオンにして代謝効率を悪くし、ダイエットを加速することが出来ます。
この手法はコールド・サーモジェネシスと呼ばれ、欧米人はよく利用しています。
さて、次にQYと健康の関係をアメリカという大きな国で見てみます。
アメリカにおける癌死の実態
まず、癌ではありませんが、下図は全米における多発性硬化症の実態です。
北に行くにつれ発生頻度が上がります。
下は1970年から94年までの、白人女性の乳がんによる死亡者数。
人口10万人あたりにおける死亡者数としてバランスをとってあります。
これも緯度が高い地域が赤くなり、死亡者数が増えることを表しています。
米国立癌学会調べ。
下は同じく、白人男性と大腸がん死亡者数の関係。
同じく白人女性の卵巣がん死者数。
白人男性の前立腺がん死者数。
どの図を見ても、緯度が上がる(北に行く)につれ、癌死が増えるということは疑いようの無い事実です。
栄養素もエクササイズも喫煙も経済状態も人種も性別も、まるで一切関係無いかの如く、北に行けば癌で死ぬ率が高くなります。
QYと高酸化力が同義であるのと同様、QY不足はフリーラジカル・ダメージを意味します。
特に生体バッテリーの根幹であるミトコンドリアのエネルギーが不足し、ミトコンドリアDNAのダメージが蓄積します。
細胞核のDNAダメージが起きても、ミトコンドリアがしっかりしていれば、細胞を死に追いやって癌化が防げるのですが、ミトコンドリアDNAの変異(ヘテロプラスミ)が蓄積すると、制御が効かず細胞が不死身となってしまいます。
地球規模でも同じ
下図は地球全体で見た、男性における直腸がん発生率と緯度の関係。
横軸は緯度を表します。
真ん中の赤道に近いところで発生率が最低となり、両極に近づくにつれ、癌が多くなります。
下図は同じく、女性における乳がん発生率と緯度の関係。
極めつけは下図。
タイプ1糖尿病発生率と緯度の関係。
赤道から離れるにつれ、日照量が減り、クアンタム・イールドが低下します。
クアンタム・イールドが生体バッテリー、生態システム、免疫システムの原動力であるという認識が無い限り、カロリーやATPと混同した暗中模索が続きます。
クアンタム・イールドは、食べること(ATP)で補填出来るものではありません。
ポルフィリンをどれだけ大量に生産しても、日照量、つまり660ナノメートル近辺の波長の光が不足した状態ではQYを集積することが出来ません。
これはどういうことかと言うと、いくら葉緑素を植物に備え付けても、肥料をやっても、土壌を改善しても、水分を補給しても、その植物に分厚い布を被せたら必ず枯れるということと同じです。
バッテリーを大きくしたり、小さくしたり、最適化したりすることも重要ですが、充電出来るかどうかが死活問題となります。
むしろ充電を第一に考え、クアンタム・イールドの補充としてアンチオキシダントを摂り、野菜を食べ、そして太陽光をふんだんに吸収します。
そのエネルギーでエクササイズをし、蛋白同化を促し、疲労回復をするというイメージです。
本日も最後までお読みくださりありがとうございました。