ランナー膝
ランナー膝はランニングによる膝関節周辺のスポーツ障害の総称で、さまざまな病態が含まれますが、マラソンなどの長距離ランナーに好発する膝の外側の痛み 腸脛靱帯炎についてお話していきます。
腸脛靱帯とは
大腿広筋膜とも呼ばれ、太ももの外側をおおう長い靭帯。
大転子という脚のつけ根の骨から、太ももの外側をとおり脛骨外側のガーディ結節に付着する筋膜の線維束(少し固いゴムバンドのようなもの)です。
近位部では大腿筋膜張筋と大殿筋とも繋がっています。
膝の外側の安定を保つ役割を果たします。
腸脛靱帯炎(ランナー膝)
ランニング、自転車をこぐなどの膝の屈伸運動をする際、 腸脛靭帯が、膝関節の外側2~3センチ上の部分にある大腿骨外側上顆(だいたいこつがいそくじょうか)という骨の出っ張り部分を前方または後方へと移動します。
この時に骨盤に付着する大腿筋膜腸筋(だいたいきんまくちょうきん)や大殿筋(だいでんきんが)が疲労などで硬くなってしまっていると、この二つの筋肉は腸脛靭帯にくっついている為、腸脛靭帯がひっぱられピンと張った状態になり、大腿骨外側上顆を前後に移動するときに摩擦を起こし、それが繰り返されることによって、腸脛靭帯に局所的な炎症を起こして膝の外側に痛みを感じるようになります。
ランニングで下り坂ではストライドが大きくなることや体重がかかるため下腿の内旋が強くなることから、この部分に負荷がかかりやすくなり、更に痛みを強く感じます。
O脚の方や足首が内反(内側に捻っている状態)がある方は、地面を踏みこむ時に足の小指側に体重が乗る走り方になり、腸脛靭帯に衝撃・緊張が加わりやすく、腸脛靭帯炎(ランナー膝)の原因にもなります。
また、外側だけ削れた状態の靴で走っていても足首が内反状態になるので、腸脛靭帯炎を引き起こす原因となります。
一般的な車道は、雨水の水はけを良くするため、中央線をてっぺんに道路の端の排水溝めがけて傾斜がついています。いつも同じ方向に走っていると排水溝側の足に体重がかかることになり、これも腸脛靭帯炎を起こす原因になります。
腸脛靱帯炎の原因
様々な要因で発生しますが、その中でも1番の原因は、骨盤の歪み等で骨盤に付着する大腿筋膜腸筋や大殿筋が硬くなってしまっている状態で膝の曲げ伸ばし運動を繰り返してる起こるオーバーユースです。
ウォームアップ不足で大腿筋膜腸筋や大殿筋が、硬くなってしまっている状態でいきなり走ったりする事でも発生するので注意が必要です。
・オーバーユース
・ランニングフォーム(接地時に膝の外側に荷重)
・堅い路面、凹凸の多い路面、下り坂、トラックのカーブ
・靴底の外側がすり減っている、クッション性が無い靴底
・O脚(膝の外側に負荷がかかりやすい)
・骨盤の歪み
発症しやすいスポーツ
バスケットボール、陸上競技、自転車、水泳、トライアスロン、登山、スキー、エアロビクスなど
【腸脛靭帯炎の症状・3つの段階】
腸脛靭帯炎の症状の進行には、大きく分けて3つの段階があります。
第1段階:
ランニングの走りはじめに痛みが現われます。痛みの強さはあまり強くないため、走り続けていると多くの場合、痛みは軽減あるいは消失する状態です。(ランニングしていると筋肉が緩むことによって違和感が消失する為です。)準備体操やストレッチなどをしないで、いきなり走りだすと起きやすい症状です。この時期にランニングを中止して安静にする方はほとんどいません。「走っていると楽になるから」という理由で痛み始めている腸脛靭帯にどんどん負荷がかかり、やがて痛みで数キロしか走れない状態になります。
第2段階:
走っている途中で痛みが現われます。走る距離を急に伸ばした時や、運動強度を上げた時に起きやすい症状です。走るのを止めると痛みも止まる場合が、ほとんどです。しかし、次第に休んでも痛みが解消されなくなっていきます。4~5キロくらいから痛み始め、10キロ~20キロ以上走ると痛みで走れなくなってきます。走った当日は階段の昇り降り(特に降りるとき)に強い痛みを感じ、痛めているほうの足を前に出すのが辛くなります。しかし翌日かその翌々日には日常生活では痛みを感じなくなります。
第3段階:
ランニング中だけでなく、歩いている時や階段の登り降りなど、日常動作でも常に腸脛靭帯に痛みを感じます。痛みで普通に歩けなくなったり、床に足が着くだけで痛みを感じます。症状が酷くなると、痛みで膝の曲げ伸ばしができなくなります。歩行時に痛みを感じるようになると跛行(脚を引きずる)になります。
腸脛靱帯炎の症状と診断
症状はランニング時、ランニング後の膝外側の疼痛であり、ある一定の距離を走ったときに疼痛が出現するのが特徴です。
大腿骨外側顆に限局した圧痛を認めます。
疼痛の誘発テストとして、Grasping Test、Ober’s Testがあります。
痛みが発生するタイミングは、「足が曲がった状態から伸ばした時」です。
ランニングなら地面を蹴った時になります。
グラスピングテスト(Grasping Test)
膝を曲げた状態で、腸脛靭帯と大腿骨内側上顆の摩擦部(膝外側2~3セン)の部分を押さえ、徐々に膝を伸ばそうとすると痛みを訴える。
オーバーテスト(Ober’s Test)
側臥位(横向き)で反対側の股関節は屈曲し、検査する下肢を上にして、一側の下肢を手で持ち上げ(外転)持ち上げた下肢を離す。
手を離してもなめらかに落ちない、大腿筋膜張筋、腸脛靭帯の異常を示唆する。
腸脛靭帯は骨盤から始まる筋肉とつながっています。
骨盤が歪むとそれらの筋肉が緊張して腸脛靭帯を引っ張るため、摩擦が増えて腸脛靭帯炎を引き起こします。
骨盤の歪みにより大腿筋膜張筋と大殿筋の緊張が高いと腸脛靭帯が強く引っ張られ、その状態でランニングなどの股関節、膝関節の運動をすることにより大腿骨外側上顆と腸脛靭帯が擦れて炎症が起こります。
腸脛靭帯炎に対する大原接骨院の治療
大原接骨院では、
①まずは炎症が出てる腸脛靭帯部位に
低周波治療やマイクロ波、超音波などをかけて患部の炎症を取る治療を行います。
腸脛靭帯と大腿骨外側上顆部の摩擦して炎症を起こしている部分の消炎鎮痛作用。
②骨盤矯正治療を行います。
骨盤を正しい位置に戻す事と大腿筋膜腸筋、大殿筋の緊張緩和、両下肢への過重バランスを整えるなどを狙って行います。
③お尻と骨盤の外側にある筋肉の緊張を緩める(大腿筋膜腸筋、大殿筋)をほぐす
マッサージ治療を行います。
靭帯はあまり伸び縮みのしない組織ですので、ふとももの外側をストレッチ、マッサージしたところであまり意味はありません。
腸脛靭帯にかかるストレスを和らげるために腸脛靭帯に直接付着している筋肉である大殿筋と大腿筋膜張筋の緊張を和らげることが重要となります。
④スポーツ整体で下肢のアライメント調整(膝関節、足関節、股関節)
下肢がO脚になっている(膝が外側に偏る)と腸脛靭帯へのストレスは強くなります。
膝関節を中心に必要に応じて股関節、足関節の可動域の調整や骨格アライメントの調整を行います。
治療の流れ
- 受付
- 初診時は保険証をお持ちなり、受付にて問診票と当院の説明の入った資料をお渡しいたします。閲覧いただきましたら必要な箇所にご記入いただいてお待ちください。記入しきれなくても問診時にご相談いただいても結構です。
- 問診
- お名前をお呼びしましてから、問診をはじめます。先生が問診表をもとに自覚症状や発症状況、痛みやだるさをおうかがいします。気になる事があれば、何でもお話してください。色々な整形学的検査と確かな経験のもとに原因を探ります。
- 診察・治療説明
- 痛みやだるさのある箇所を詳しく診察いたします。痛みがでる体勢や関節の可動域などを確認し、患部の状態や原因を確認いたします。原因は千差万別ですので診察中でもお気軽にお伝えいただくことにより、根本的な治療が可能となります。
- 治療
- 症状と治療の説明をご理解いただいた上で施術をおこないます。痛みの多くは筋肉のバランスが崩れることや背骨や骨盤などが歪むことにより発生します。力を抜いてリラックスしていただき、筋肉の緊張をほぐしていきます。患者様にあった必要な治療をおこないますのでご安心ください。
- 術後の確認・説明
- 施術後の痛みや動きを確認し、日常生活で気を付けて頂きたいことや筋トレの方法やストレッチのやり方などを説明し、次回の治療の説明をします。
施術料金
保険診療
各種健康保険が使えます。
お越しの際には保険証をご持参ください。
保険診療は症状により異なりますが下記の料金が目安となります。
初診
3割 | 2割 | 1割 | |
保険の割合に よります |
~1,200円 | ~800円 | ~600円 |
2回目
3割 | 2割 | 1割 | |
保険の割合に よります |
~570円 | ~380円 | ~180円 |
3回目~
3割 | 2割 | 1割 | |
保険の割合に よります |
~480円 | ~320円 | ~180円 |
矯正治療(自由診療)
患者様によって治療内容は変わります。
診察で金額と効果をしっかりご説明いたします。
初回 | 2,160円~ |
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2回目~ | 1,080円~ |
延長マッサージ (自由診療)
5分単位で何分でも延長することができます。
5分 | 540円 |
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10分 | 1,080円 |
20分 | 2,160円 |
アクセス
大原接骨院
小田急江ノ島線
南林間駅西口より徒歩1分
スーパータイガ前
神奈川県大和市南林間1-10-19
TEL.046-273-3307
>>駅からの道のり(動画)