顎関節症(がくかんせつしょう)

顎関節症とは?

◆ 一般的なチェック方法 ◆

顎が痛い、顎がカクッとするなど、顎関節症が気になる貴方。
まずは、下記の「顎関節症が分かる12のチェック」を行ってみて下さい。

  • 顎を大きく開けたとき、左右で開けにくい方の顎がありますか?
  • 鏡を見て、顎を大きくゆっくり開けてから閉じて下さい。
    その時に顎が左右に揺れていますか?
  • 顎を開けたり閉じたりする時にカクッとした音やピキッとした音がしますか?
  • 鏡の前で、大きく舌を出してみてください。舌はまっすぐ出ていますか?
  • 顔を見て、左右の眼のラインと口角(口の終わり)のラインが並行ですか?
  • 口を開閉するとき顎に痛みを感じますか?
  • 咬むと顎が痛いですか?
  • 口が開かないことがありますか?
  • 耳の穴の中に指を入れて顎を開閉して下さい。その時に痛みを感じますか?
  • こめかみを押してみてください。痛みがありますか?
  • ほほ骨の下を押して痛みますか?
  • 朝起きた時に顎がスムースに開きますか?

顎関節症は、気付きにくく慢性化しやすい障害です。慢性化すると治りくいだけでなく、 色々な症状が出てくることがありますので、きっちりとチェックをしたいところですね。
上記の質問のうち、
■ Yesが2つ以上あると、顎関節症になりかけている可能性があります。
■ Yesが4つ以上あると、顎関節症になっているでしょう。
■ Yesが6つ以上ある方は、顎に大きな問題が起こっていると考えられます。

顎関節症の定義

「顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節(雑)音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする慢
性疾患群の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靱帯障害、関節円盤障害、変形性関節症などが含まれている」
(日本顎関節学会「顎関節症の定義」)

顎の関節(=顎関節)周辺に何らかの異常があり「あごが痛い」「あごが鳴る」「口が開けづらい」などが主な症状である慢性的な疾患で、原因はいくつかあり状態も異なるがまとめて顎関節症と呼ぶ・・・ということです。

20~30代がピーク、女性に多い

顎関節症の患者はここ十数年で15倍にも増加したとも言われます。子供~高齢者まで幅広くみられる病気ですが、年齢では10代半ばから増え始め20~30代がピーク、女性は男性の2~3倍の来院数だそうです。

なぜ女性が多いのかはよくわかっていませんが、女性の方が筋肉の緊張やストレスに対して感受性が高く痛みに敏感で健康にたいする関心が高い、男性よりも骨格や靱帯が弱い、女性ホルモンに関係がある、などの説があります。

年齢的には、10代半ば頃から増加するのは歯や骨格が成長し大人になる時期であること、精神的にも思春期であり社会的な生活も複雑になる為、また30代以降は来院患者数が減少するのは顎関節の変形はあっても それに慣れてうまく付き合えるようになる為、などといわれています。

しかし、近年患者数が増加していることを考えると、最近の若年層に顕著な食習慣、生活習慣などにも関連があると考えられるのではないでしょうか。

顎関節症とは、顎の関節の周りで何らかの要因で痛みや機能低下(口が開かないなど)が起きることを言います。
顎関節症の治療をしないでも治る場合もあれば顎関節症の治療をしなかったために慢性化してしまう場合もあります。

また、顎関節症が悪化した場合、口があがない・顎に痛みや痺れがある・噛むと痛い
などの症状が起こり、日常生活にも支障をきたします。

また、顎関節症が原因で肩こりや頭痛・食欲不振など
全身の症状も出てくる場合も少なくありません。

顎関節症の症状

■代表的な症状

顎関節症の主な症状は5つあります。
これらの症状がひとつ、もしくはいくつか重なって現れます。

①あごが痛む

顎関節および周辺の頬やこめかみの痛み。口の開け閉め、食べ物を噛むときなど、顎を動かした時に痛むのが特徴。顎の動きに関係なく痛む場合は他の病気の可能性が高い。

②口が大きく開けられない(=開口障害)

正常な人は縦に指三本分入る(40~50㎜)が、指が2本程度(30mm)もしくはそれ以下しか入らない。
あごを動かすと痛むので無意識に動きを抑えてしまっている場合と、顎関節の異常で口が大きく開けられない場合とがある。いきなり口が開かなくなる場合も、徐々に開きづらくなっていく場合もある。

③あごを動かすと音がする(=関節雑音)

顎を動かしたときに耳の前あたりで「カクカク」音がする。「ジャリジャリ」「ミシミシ」といった音の場合もある。症状が音だけの場合は顎関節症予備軍と言える。

④噛み合わせに違和感がある

顎の関節や筋肉に問題があると、顎の動きに変化が生じて噛み合わせが変わることがある。急に噛み合せが変わったように感じるときは顎関節症の疑いがある。

⑤口を完全に閉じることができない

非常に稀だが、あごの関節内の構造の異常のため上下の歯列の間に隙間ができて、口が完全に閉じられなくなる場合がある。

その他の症状

代表的な症状以外にも、顎周辺だけでなく全身の様々な部位に症状が現れることもあります。

頭痛、首や肩・背中の痛み、腰痛、肩こりなどの全身におよぶ痛み
顎関節部やその周辺の痛み
耳の痛み、耳鳴り、耳が詰まった感じ、難聴、めまい
眼の疲れ、充血、流涙
歯の痛み、舌の痛み、味覚の異常、口の乾燥感
嚥下困難、呼吸困難、四肢の痺れ

症状が似ている病気

顎周辺に痛みがあっても必ずしも顎関節症とは限りません。
よく似た症状は別の病気にもみられます。

<顔に痛みを感じる病気>

発作性神経痛(舌咽神経痛、三叉神経痛)、
歯や歯周組織・舌など口の中の病気、
耳・鼻・喉・唾液線の病気、
慢性頭痛(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛)、
症候性頭痛(脳腫瘍、脳内出血など)、
シェーグレン症候群、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、線維筋痛症、通風、
甲状腺機能亢進症、心因性疼痛、神経因性疼痛  など

<口が開けづらい病気>

親知らずの炎症、
顎関節の骨折・腫瘍・脱臼・感染症・炎症、
顎の筋肉の萎縮・外傷・炎症・拘縮、
顎に関係する神経の腫瘍・炎症・ウィルス感染症  など

顎関節症のタイプ

■顎関節症の4つのタイプ

顎関節症のタイプはその障害のある部分によっていくつかに分けられています。
(日本顎関節学会による)

1)筋肉の障害によって起こるタイプ
2)関節包・靱帯の障害によって起こるタイプ
3)関節円板の障害によって起こるタイプ
4)変形性関節症によって起こるタイプ

1)筋肉の障害によって起こるタイプ

筋肉が何らかの原因で緊張して硬くなり血液の循環が悪くなるために痛みを生じる。
咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋からなる咀嚼筋を中心に痛むので頬やこめかみのあたりが痛むが、痛みは鈍く部位を特定しにくい。また、押すと強く痛むトリガーポイントというコリコリしたしこりができることがある。頭部、首、肩など離れたところに関連痛が起こることもある。

2)関節包・靱帯の障害によって起こるタイプ

顎関節の関節包や靱帯などの線維組織に力が加わって捻挫を起したようになり痛みを生じる。関節包炎、滑膜炎などを起し、顎を動かすと顎関節部が痛む。

3)関節円板の障害によって起こるタイプ

関節円板が本来の位置から前にずれたままになってしまう状態のことで「関節円板前方転位」という。

<クリック(カクカク音)>
口を閉じたとき本来は下顎窩の中にあるべき関節円板が、下顎窩の前方にズレて出てしまっている。口を開けようとすると回転して前にすべり出してきた下顎頭が関節円板の下に強引にもぐり込み、上に乗せたときに「カクン」と音が出る(=クリック音)。口を閉じるときに下顎頭から関節円板が外れるときも同様に音が出る。

<ロック(口が大きく開けられない)>
さらに進むと、口を開けようとするとき前に出ようとする下顎頭が関節円板の下にもぐり込めなくなり関節円板を上に乗せられなくなる。こうなると関節円板が邪魔して下顎頭が下顎窩の前に出られなくなるので、口が大きく開けられなくなる。(クリック音はしない)

4)変形性関節症によって起こるタイプ
顎関節に繰り返し強い負荷がかけられたり、長い間続いたときに、下顎頭の表面が吸収されてその回りに新しい骨がつくられることがある。口を開け閉めすると「ゴリゴリ」「ジャリジャリ」といった音がして、滑膜炎など周囲の炎症を伴うと顎関節が痛む。
骨の変形は必ずしも異常な変化ではなく無症状の場合もあり、またある程度進むと止まる場合が多い。

■複数のタイプを持つ患者が多い

顎関節症のタイプはこのように4つに分けられていますが、実際には「筋肉の障害によるタイプ」と「関節円板の障害によるタイプ」といったように、複数のタイプにまたがっていることが多いです。

顎関節症の原因

■噛み合わせだけが原因ではない

かつては顎関節症の原因は噛み合わせの異常にあると言われていましたが、現在では顎関節症の原因となる因子はいくつかあり、それらが積み重なってある耐久限界を超えた時に発症すると言われています。
但しなりにくい人なりやすい人がいて耐久限界にも個人差がありますので、くいしばりや歯ぎしり偏咀嚼などの生活習慣の中の要因の積み重ねが“その人の”耐久限界を超えたときに発症する、ということに。

■顎関節症の様々な原因

1)ブラキシズム
「くいしばり」「歯ぎしり」「歯をカチカチならす」などのことをブラキシズムといい、筋肉を緊張させて顎関節に過度の負担をかけダメージを与える。最も大きな原因と言われてます。
くいしばり・・・肉体労働や仕事などに集中しているとき無意識に行っている。就寝中にも起こる。
歯ぎしり・・・音のしない歯ぎしりもある

2)ストレス
仕事や家庭、人間関係などのストレス、その他精神的な緊張は、筋肉を緊張させてくいしばりを起したり夜間の歯ぎしりを起したりと、ブラキシズムに影響します。

3)偏咀嚼
左右どちらか一方でばかり噛む癖を偏咀嚼といい、片側だけに多くの負担をかけることになり、発症の原因になります。

4)顎や筋肉に負担をかける癖や習慣
うつ伏せ寝、頬杖をつく癖、あごの下に電話をはさむ、猫背の姿勢など

5)悪い噛み合わせ
噛みあわせについては様々論議があり、現在では多くの原因の中の一つと考えられ、偏咀嚼やブラキシズムの原因として関連していると言われています。
不良な歯列矯正や歯科治療により噛みあわせの悪さを招くこともあります。

6)その他
歯の治療などで大きく口を開けた、顎や頸部頭などを強く打って顎関節や靱帯を損傷した 等

顎関節症を誘発するきっかけは色々

日常の様々なことがきっかけとなって顎関節症を誘発します。

○何かに熱中したり緊張して強く食いしばる
・会社で導入したてのパソコンを覚えようと熱中して
・長い会議のあった日は夕方から口が開けづらくなる
・休日に一日テニスをしたあとは顎がカクカク鳴る
・何か特別な行事があると緊張して食いしばる
○オフィスの冷房がキツクて歯を食いしばる
○仕事で悪い姿勢を長時間続けていた
○仕事のストレスで夜よく眠れない
○片側の歯が悪いため反対の歯だけで食べ物を噛む癖がある  など

現代人は顎が弱くなっている?

同じ顎関節症の原因となる生活習慣を行っていても顎関節症になりやすい人となりにくい人がいます。また近年に顎関節症は増加しており、それも若い女性など若年層に増えています。
これには最近の柔らかい食べ物の多い食生活から「噛む力」が弱くなっていることが関係しているのではないかとも言われています。

伝統的な日本食に比べ、ハンバーグやスパゲティといった現代人の好む食事は噛む力も噛む回数も少なくてすむので、顎が運動不足になり筋肉が衰えてしまっていることが考えられます。その為、顎関節の動きをしっかり支えられることができず、顎関節症を発症しやすい素地を作ってしまっています。

顎の衰えは顎だけの問題にはとどまりません。顎の運動不足では脳への血流量も少なくなり集中力も落ち、顎が弱いときちんと噛みしめることができないので力が出ないし平衡感覚も低下、身体能力に大きく影響してきます。

治療の流れ

受付
受付
初診時は保険証をお持ちなり、受付にて問診票と当院の説明の入った資料をお渡しいたします。閲覧いただきましたら必要な箇所にご記入いただいてお待ちください。記入しきれなくても問診時にご相談いただいても結構です。
問診
問診
お名前をお呼びしましてから、問診をはじめます。先生が問診表をもとに自覚症状や発症状況、痛みやだるさをおうかがいします。気になる事があれば、何でもお話してください。色々な整形学的検査と確かな経験のもとに原因を探ります。
診察・治療説明
診察・治療説明
痛みやだるさのある箇所を詳しく診察いたします。痛みがでる体勢や関節の可動域などを確認し、患部の状態や原因を確認いたします。原因は千差万別ですので診察中でもお気軽にお伝えいただくことにより、根本的な治療が可能となります。
治療
治療
症状と治療の説明をご理解いただいた上で施術をおこないます。痛みの多くは筋肉のバランスが崩れることや背骨や骨盤などが歪むことにより発生します。力を抜いてリラックスしていただき、筋肉の緊張をほぐしていきます。患者様にあった必要な治療をおこないますのでご安心ください。
術後の確認・説明
術後の確認・説明
施術後の痛みや動きを確認し、日常生活で気を付けて頂きたいことや筋トレの方法やストレッチのやり方などを説明し、次回の治療の説明をします。