テーピングの歴史の詳細は不明ですが、約150-200年前から行われていたと言われています。
その当時は世界大戦中であり、傷ついた兵士たちにテーピングをぐるぐる巻きにし、固定したのが起源だといわれています。
150-200年もの前、そして戦争(銃弾?爆撃?)で傷ついた兵士の関節をテーピングで固定することで、除痛でき、動けたということは驚きです。
テーピングの効果を先祖の方たちは、経験的に感じ、実践していたのでしょうか。
テーピングの奥深さを感じます。
戦争の映画を見ても、傷ついた兵士に何かしらの固定(包帯や添木?今でいうシーネのようなもの)をしているシーンを見かけることがありますね。
スポーツテーピングの誕生
テーピングのグルグル巻き固定という概念をスポーツ分野で応用され、近年に至ります。
スポーツではアメリカンフットボールが始まりで、現在なお、アメフトの分野ではテーピングを用いられることが多々あります。
これが現在も続く「テーピング=スポーツ」というイメージの根源かもしれません。
アメリカンフットボールはその名の通りアメリカで盛んに行われている競技ですので、テーピングもアメリカは先進国と言えます。
アメリカでスポーツテーピングが確立され、日本に紹介されたのは1900年代の後半とされています。
大手テーピングメーカーである「ニチバン株式会社」は、1981年に一部上場企業としては初のテーピング販売を始めたそうです。
日本に急速にテーピングが広まったのもこの頃からです。
テーピングの始まりは、はるか昔ですが、日本のスポーツ分野で広まったのは、まだまだ最近ということになります。
リハビリテーションの分野ではこのスポーツテーピングの利点を生かし、固定という欠点を補った、ファンクショナルテーピングというのが考案されました。
当時のテーピングの主たる目的としては、関節固定によって患部を安静にすることでした。
しかしスポーツ動作では関節を固定してしまうと、パフォーマンスを低下させてしまいます。
現在では当たり前の考え方となっていますが、1998年に発表されたファンクショナルテーピングは必要な関節運動のみ制限し、可能な限り自然な関節の動きを可能にするよう、当時では画期的な考え方でした。
本法は、理学療法士である川野哲英先生が考案し、理学療法士の携わるスポーツ現場ではテーピングの基礎として現在も行われております。
キネシオテーピング・スパイラルテーピングの誕生
またカイロプラクティックの分野では痛みに対する画期的なテーピング、キネシオテーピングが生まれました。
毛細血管、毛細リンパ管を流れる体液をスムーズにし、筋肉のアンバランスを改善するというものです。
加瀬建造先生が考案したテーピングは接骨院などの治療場面では主流であり、今や世界的に広まっております。
リンパ液の流れを客観的に評価するのは難しいですが、「テーピングを貼付することで、皮膚を持ち上げ、リンパ管やリンパ節へのストレスを軽減する」という理論は分かりやすいです。
また、固有感覚受容器を粘着刺激していること、皮膚の持ち上げによる皮膚可動性の改善など、本来のキネシオテーピング理論とは異なる部分で効果を発揮している可能性があります。
1990年代には、田中信孝先生が、東洋医学の徒手療法から考えたスパイラルテーピングが一世風靡し、駅伝、マラソン選手や高校野球など幅広く広まりました。
格子状のテーピングを痛みと関連ある違う場所に貼付するもので、針灸の代用が可能といわれております。
生活テーピングの誕生
2000年に入ると、数々の簡易テーピングが各メーカーから販売され、手軽に巻けるテーピングが広まりました。
中でもニチバン株式会社の齋藤隆正先生が考案したセラポアは別名「生活テーピング」とも言われ、スポーツ選手のみならず、高齢者でも簡単に効果があるテーピングといわれております。
さらにKTテーピングが2008年に販売されました。
2008年の発売からわずか6年で、米国のキネシオロジーテーピング売上1位を達成し、世界で初めて合成繊維100%を使用したその機能性が日本を含め世界70カ国以上で愛用されています(KTテーピングHPより)。
カラフルなテーピングが好評で、チームカラーに合わせて貼付したり,テーピング自体に名前やロゴを入れるなど、テーピングの概念を変えました。
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