【見えない敵】
「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」という諺があります。
この諺には様々な教訓が含まれることと思います。
私がよく感じるのは、「何でも自分でやってみないと気が済まない」系の人間は、この諺に照らし合わせると愚者であるということです。
そういった意味では、私にも愚者の部分は大いにあります。
しかし同時に、世の中は自分が体験して理解できないことを中心に動いているということも実感しています。
実際、「科学」の殆どは目で見て理解しているわけではありません。
水素原子はおろか水分子さえ、肉眼で見ることは無いでしょう。
栄養素や健康に対する考え方も全てコンセプトの世界です。
さて、「太陽光線(紫外線)は身体に悪い」と最近のテレビ等でよく放送されています。
確かに皮膚のみを考えるのでそうであるかもしれません。
太陽光は目で見えますし、太陽光に一定時間あたることで皮膚が黒くなったりすることも確認が出来ます。
目に見えるモノとは、即ち、人間がそれを感知出来るモノであるということです。
最近では、先進国であれば、殆ど全ての場所で何らかのラジオ放送が受信出来たり、衛星放送やインターネットが受信出来たりするものです。
だからといって、その電波が我々の身の回りを飛び交っている様子は人間の五感では感知出来ません。
日に日に増えるこの空気中の「情報の波」は、我々の身体にどのような影響を及ぼしているのでしょうか?
それを知るには専門家に教示してもらう以外ありません。
【もう逃げ隠れは出来ない】
WHO(世界保健機構)の外郭専門機関、国際がん研究機関(IARC)が、あらゆる物質の発がん性についてランク分けをしています。
グループ 1:発癌性が認められる
グループ 2A:発癌性がおそらくある
グループ 2B:発癌性が疑われる
グループ 3:発癌性が分類できない
グループ 4:発癌性がおそらくない
これを見た方なら、グループ4以外の物質や環境には注意したいと感じることでしょう。
ところが、我々が日常的に利用しているWiFiは、2Bに指定されています。
赤身の肉やアルコールは グループ1ですが、朝から晩までそれにさらされているわけではありません。
現実の我々は、WiFiを含めた電波、電磁波の海に、深く潜っている状態です。
発がん性物質の海に一生どっぷり浸かり続けるということは、どのようなことなのか、少し検証してみます。
【電磁波を知ろう】
下は電磁波の種類を表したウィキペディアの図です。
左から右に進むにしたがって、波長が短くなります。
波長が短くなればなるほど、エネルギーを増します。
紫外線がX線になるにつれ、直接的に人間の遺伝子を破壊する力が備わってくるため、いわゆる「放射線」と呼ばれるものになります。
人間が目で見て確認出来る波長は、図中のレインボーの部分だけであり、それ以外に対しては、特別の機械で感知しない限り無防備であると言えます。
放射線を大量に浴びることが「死」を意味することは、原爆などの歴史により、よく知られています。
しかし実際のところ、あらゆる電波を含め「自然で無い電磁波」に十分な量さらされると、人間にはそれに対応するメカニズムが備わっていないため、必ず重大な不調をきたします。
可視光線(レインボーの部分)を十分に浴びると、皮膚が焼けて腫れたり、皮が剥けたりしますし、メラニン色素が増えて真っ黒に日焼けしたりします。
つまり目に見える電磁波(可視光線)に対しては、身体が何らかの反応をするわけです。
しかしそれ以外の電磁波は、ごく最近氾濫し出したものであり、人間を含め、あらゆる動物は無抵抗な状態でそれを身体に受け続けているということになります。
放射線のように、直接ダメージを与える電磁波であれば、すぐにありとあらゆる対策が施行されます。
逆に、WiFiやLTE、あるいは電化製品の発する電磁波は、そのダメージが蓄積型であるため対策がおろそかになりがちです。
何より、通信関係はメディアそのものですし、電気機器産業の根幹を脅かす話題でもあるため、電磁波の害が立証されてもメディアが報じないという構造があります。
【カルシウムによる死】
生物が「電気仕掛け」であることは周知の通りですが、人間の全ての細胞膜には、VGCCと呼ばれる、電圧によって開閉するカルシウム・チャンネルが存在します。
電磁波研究の第一人者、マーチン・パール博士によると、このVGCCは非常に敏感であり、細胞が十分な電磁波にさらされると、一秒間に100万個のカルシウム・イオンが細胞内に流入することが確認されています。
「カルシウムによる死」というものがあります。
組織の「死に方」の一つとして、あらゆる原因により、カルシウムが沈着して終わるという状態が広範に見られます。
骨は重力負荷で構造を保っているという面があるため、椅子に座りっぱなしになったり、寝たきりになったりすると、骨からカルシウムが流れ出して組織に沈着し、「老化」を促進するという現象があります。
この現象の発見に至ったのは、無重力にさらされるNASA宇宙飛行士の症例がきっかけであるとされています。
さて、日常的に氾濫する電磁波で、カルシウムイオンが細胞内に大量流入するというのは、由々しき事態です。
おそらく電磁波に対して進化し切れていない、人体の誤作動なのでしょう。
最終的には、代謝負荷の増大から、活性酸素の増大へと続き、遺伝子損傷をもたらします。
【英国・脳腫瘍発生数が10倍】
スマホを頭に付けて話すことで脳腫瘍が増えるということは、半ば常識となっていますが、イギリスでは神経膠芽腫脳腫瘍と呼ばれる種類の脳腫瘍が、1985年から2014年の間に発生数にして10倍となっています。
Source of figures: Frank de Vocht, “Corrigendum,” Environment International, posted January 25, 2017
尚、この数字を発表した研究者は、後に、データの解釈に誤りがあったという不可解な訂正をしています。
【2.5ミリガウスを14分浴びると流産が2.7倍】
米国保険会社が発表した最近の研究では、たった2.5ミリガウスの電磁波を14分間浴びただけで、流産の確率が2.7倍になるとしています。
https://www.nature.com/articles/s41598-017-16623-8
米国EPAの発表によると、各種電化製品の電磁波の強度は以下の通り。(単位ミリガウス)
EPAの定める「安全値」、0.5~2.5ミリガウスという数値は、電化製品に接近すると家庭内で簡単に超過してしまうことがわかります。
要は距離を置くことと、接触時間を短縮することです。
電子レンジに限らず、電化製品による「被ばく」は距離が近ければ、殆ど全ての製品で起きます。
【X線撮影を1600回】
ドイツのFranz Adlkofer教授の研究によると、スマホを24時間使用することは、X線撮影を1600回受けるのと同等のDNA損傷を引き起こすとしています。
これを聞くだけで恐ろしい気がしますが、先述のマーチン・パール博士によると、「この実験ではダメージを低めに見積もっている」とのことです。
その理由は、この実験ではスマホのEMF(電磁波)を継続的なものとして放射していますが、実際の使用ではパルスとなって放射されることが分かっているからです。
一般にパルスの方がダメージが強いとされています。
この続き、及び生化学的な考察・対策などは次回に書きます。
本日も最後までお読みくださりありがとうございました。