油と健康

PUFAとは

 

多価不飽和脂肪酸、PUFAはいわゆるサラダオイル、植物油の主成分です。

 

PUFAはその構造上、炭素の鎖の部分において、水素原子が欠落している数が複数以上のものをいいます。

 

ちょうどムカデでいうと、大量にある脚(水素原子)のうち、何本か欠けたような状態になっている部分を「不飽和」と呼んでいるわけです。

 

動物性脂肪は飽和脂肪酸であり、ムカデの脚が全て揃っている状態です。

 

この状態は「安定」していますから束になって整列して固まることが出来、液体では無く、バターや体脂肪のようになります。

 

脚が抜けていると整列出来ず、常温で固まれないため液状(オイル)になります。

 

この抜けた脚の部分に水素を打ち込んで安定させたものが硬化油と呼ばれるもので、マーガリンなど、虫も食べない人工物となります。

 

この水素の打ち込み方によっては脚の抜け方で「トランス脂肪酸」という毒性の高い脂質が発生するため、水素添加油は完全に避けるべきです。

 

いずれにせよ、不飽和脂肪酸は「安定」に向けて身体組織と反応するため、身体にとってはカタボリックな影響を自然に与えます。

 

 

 

 

必須脂肪酸とエイコサノイド基礎知識

 

1.脂肪酸の種類と分類

 

脂肪酸とは

 

脂肪酸とは、一般式R-COOHで表される、炭化水素鎖の末端にカルボキシ基(-COOH)をもつカルボン酸のことをいいます。

 

 

脂肪酸は、大きく炭化水素鎖に二重結合(C=C)を含まない飽和脂肪酸と二重結合(C=C)を含む不飽和脂肪酸の2種類に分類されます。

 

※ここでのRは炭化水素のことで、C(炭素)とH(水素)のみからなる構造のことを指します。

 

 

脂肪酸は親水性の頭と疎水性の尾をもつ両親媒性の物質であるため、界面活性作用をもちます。

 

 

そのため、細胞内の遊離脂肪酸の存在量は極端に少なく、普段はトリアシルグリセロール(中性脂肪)の形で蓄積することで、高濃度の遊離脂肪酸による細胞膜の破壊を防いでいます。

 

※遊離脂肪酸の増加は、インスリンの効き目が悪くなるインスリン抵抗性を誘発することも知られています。

 

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以下に代表的な脂肪酸をまとめておきます。

 

 

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※ちなみに、上図の脂肪酸は「バス降りれん」という語呂で覚えることができます。

 

 

○飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

 

飽和脂肪酸は常温で固体ですが、不飽和脂肪酸は常温で液体です。

 

 

これは飽和脂肪酸の融点が不飽和脂肪酸の融点よりも高いためです。

 

 

物質は融点(個体から液体に変化するときの温度)を越えると液体に変化しますが、飽和脂肪酸は不飽和結合をもたないため、炭化水素鎖には柔軟性があり、ステアリン酸の集まりの中では、伸びた状態で密に会合します。

 

 

一方、不飽和脂肪酸であるオレイン酸は、シス型の二重結合が原因で、炭化水素鎖が折れ曲がった構造になっていて、オレイン酸の集まりの中では秩序正しく炭化水素鎖を詰め込むことができなくなるため、疎に会合します。

 

 

このため、シス型の不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸よりも融点が低くなります。

 

※生体内の不飽和脂肪酸の大部分は、シス型の不飽和脂肪酸です。

 

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○必須脂肪酸

 

必須脂肪酸とは、生体内では合成できないために食事から摂取しなければならない脂肪酸のことです。

 

 

必須脂肪酸には、n-6脂肪酸である「リノール酸」とn-3脂肪酸である「α-リノレン酸」があります。

 

 

これらは不飽和結合を複数個もつ多価不飽和脂肪酸で、リノール酸やα-リノレン酸は、その他の多価不飽和脂肪酸をつくるために必須な物質となっています。

 

n-6脂肪酸やn-3脂肪酸とは、脂肪酸のメチル基(-CH3)から最も近い不飽和結合の位置が、それぞれ6番目と3番目である脂肪酸のことをいいます。(n-6脂肪酸はω-6脂肪酸、n-3脂肪酸はω-3脂肪酸ともいいます)

 

 

※ω(オメガ)は、脂肪酸の炭化水素鎖の長さにかかわらず、カルボキシ基とは反対側の炭素を表しています。

 

※広義の必須脂肪酸は、n-6脂肪酸(リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸)とn-3脂肪酸(α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸)のことをいいます。

 

 

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2.エイコサノイド

 

 

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○エイコサノイドの種類

 

必須脂肪酸であるリノール酸とα-リノレン酸は、それぞれアラキドン酸(C20:4)とエイコサペンタエン酸(C20:5)の前駆体になります。

 

 

アラキドン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)のような炭素数20個の多価不飽和脂肪酸は、代謝されることで「プロスタグランジン」「トロンボキサン」「ロイコトリエン」といったエイコサノイドを生成します。

 

 

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エイコサノイドは、アラキドン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)のような広義の必須脂肪酸をもとにして生成される生理活性物質で、オートクリンあるいはパラクリン機構で近傍の細胞に作用します。

 

 

エイコサノイドのもつ生理作用にはさまざまなものがありますが、例えばプロスタグランジンE2(PGE2)は主に炎症に関わる生理作用として重要な役割を果たします。

 

 

※オートクリンとは自己分泌、パラクリンは傍分泌のことをいいます。それぞれ、自身の細胞あるいは近傍の細胞に局所的に作用する機構です。

 

 

生体内では、リノール酸とα-リノレン酸からアラキドン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)への合成はあまり盛んに行われていませんので、食事から摂取するアラキドン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)が重要であると考えられています。

 

 

特に、青魚にはエイコサペンタエン酸(EPA)が含まれているため、これらエイコサノイドの生成の観点からも青魚の摂取は重要であるといえます。

 

 

○エイコサノイドの合成

 

エイコサノイドの合成は、シクロオキシゲナーゼ経路とリポキシゲナーゼ経路によって行われます。

 

 

まず、細胞膜にあるリン脂質のC2の多価不飽和脂肪酸がホスホリパーゼA2という酵素によって切断されることによって開始されます。

 

 

ホスホリパーゼA2の作用によって生じたアラキドン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)は、シクロオキシゲナーゼ(COX)あるいはリポキシゲナーゼ(LyX)という酵素によって酸化され、その後の代謝を経て、それぞれからプロスタグランジン、トロンボキサンあるいはロイコトリエンが生合成されます。

 

 

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本日も最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

 

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