【問題】
近年、糖分を含まない「無糖炭酸水」が
身近なものになってきていますが、
無糖であれば炭酸水を水の代わりに
水分補給に利用しても健康に
問題はないのでしょうか?
(1)基本的に問題はない
(2)問題があるので避けた方がいい
正解は、
(1)基本的に問題はない です。
近年、糖分を含まない「無糖炭酸水」の市場が伸びています。
アルコールの割り材として、ハイボールブームを背景に
販売数が増加したといわれていますが、
現在では炭酸水を直接飲用する習慣が広まり、
フレーバー入りの炭酸水など、
その種類は増える一方です。
炭酸水を好み、
水道水やミネラルウォーターの代わりに
水分補給に利用している人もいますが、
気になるのは健康に対する影響です。
■炭酸水は骨を弱くする?
まず、炭酸水を水と同じように
水分補給に使ってもいいかという点。
炭酸水は、炭酸ガスを含む水で、
通常の水と同じように体内に吸収されます。
胃の中でガスの気泡が拡大するので、
通常の水を飲んだときより満腹感を強く感じ、
食べ過ぎ予防にもなります。
ただし、運動する場合は、
多くの水分補給が必要になるので、
炭酸水より普通の水を飲んだほうがいいでしょう。
次に、骨への影響です。
「コーラが骨密度を減らす」という説から、
炭酸水も骨に悪影響を与えるのではないか?
と考える人もいますが、
実際には炭酸ガスを溶かした飲料を飲むことと、
骨密度の変化には関係がないことが分かっています。
2006年に報告された、
米国のフラミンガム研究という疫学調査では、
高齢の女性において、
定期的にコーラを飲むと
骨密度が少し減少しましたが、
コーラ以外の炭酸飲料を飲んでも
骨密度に影響はありませんでした。
■胃への刺激は? 塩分は?
このほかの炭酸水と健康に関する疑問点として、
「胃を刺激するのではないか」
「塩分が多いのではないか」
「歯のエナメル質を溶かすのではないか」
といったものがあります。
胃への刺激に関しては、
炭酸水を飲むと気泡が胃で拡大するため、
「胃酸が逆流する人、
過敏性腸症候群のある人、
胃潰瘍のある人には、
炭酸水は適しません」
塩分(ナトリウム)は、
ほとんどの炭酸水に含まれていないか、
含まれているとしても微量です。
例えば、「ペリエ」100mLには、
ナトリウムが1.18mg含まれています。
ナトリウム量(mg)×2.54=食塩相当量(mg)なので、
ペリエを500mL飲むと、
食塩を15mgほど摂取することになります。
ちなみに、厚生労働省が推奨する、
1日当たりの塩分摂取の目標量は
男性8g(8000mg)未満、女性7g(7000mg)未満です。
最後に、エナメル質について。
「炭酸水の多くは酸性のため、
カルシウムを溶かすことが懸念されています。
英国の研究者の報告によると、
水よりは酸性度がわずかに高いものの、
炭酸水で歯のエナメル質が溶ける可能性は非常に低く、
糖入りの清涼飲料水に比べると、100分の1以下です。
以上から、
炭酸水による体への影響はほとんどなく、
基本的には水の代用としても活用できます。
ただし、糖分や風味が加わった炭酸水は、
清涼飲料水と同じでカロリーに要注意です。
本日も最後までお読みくださりありがとうございました。