【問題】
人間ドック受診者の3人に1人の割合で
見つかるといわれる脂肪肝。
一定時間の早歩きをすれば、
肝臓にたまった脂肪が減る……
というのは、ホント? ウソ?
(1)ホント
(2)ウソ
正解は…。
(1)ホント です。
■脂肪肝の半数以上は「お酒の飲み過ぎ」とは無関係

脂肪肝は、肝臓に脂肪が過剰に蓄積した状態です。
脂肪肝と診断される人は、
人間ドック受診者の3割を占めるといわれ、働
き盛りの年代にとって身近な問題となっています。
従来、脂肪肝はお酒の飲み過ぎによるもの
(アルコール性脂肪肝)と思われていましたが、
最近では、お酒を飲まない人が脂肪肝となり、
さらには肝硬変や肝がんになるケースも
少なくないことがわかってきました。
こうした アルコール以外の原因による脂肪肝を、
「非アルコール性脂肪性肝疾患」
または「NAFLD(Non-alcoholic fatty liver disease)」と呼びます。
現在では、脂肪肝全体の半数以上をNAFLDが占めており、
推定有病者数は1500万~2000万人にも上ります。
では、こうした脂肪肝を治すにはどうすればいいのでしょうか。
■1日30分以上の早歩きで脂肪肝が改善
肝臓にたまった脂肪を減らすには、
運動療法と食事療法を実践することが有効です。
具体的には、総カロリーを抑えながら
有酸素運動を主体に運動を行って体重を減らしていきます。
そうすると、肝臓に占める脂肪の割合が減少し、
様々な検査値も改善していきます。
運動は、有酸素運動と筋力運動をうまく組み合わせることが重要です。
有酸素運動をするときは少し息が上がる程度、
筋力トレーニングの場合は、
ある程度きつさを感じるような負荷をかけて
運動をする必要があります。
中高強度の身体活動(moderate to vigorous physical activity: MVPA)、
例えば、早歩き(速歩)などを
週に250分(1日36分)以上実践すれば、
体重が減少しなくても
肝臓に蓄積された脂肪が
大幅に減ることが分かっています(下図)。

中高強度の運動によって筋量が増加すると、
日常生活で消費するカロリー(基礎代謝)が
増えるので、太りにくくなります。
肝臓病患者の寿命と関係の深い骨格筋(骨格を動かす筋肉)も鍛えられます。
早歩きは、他の生活習慣病の予防や改善にも有効な運動です。
仕事や家事の合間や通勤時など、すきま時間に実践してみましょう。
本日も最後までお読みくださりありがとうございました。