酒に弱い日本人が増えるよう「進化」
日本人の遺伝情報を調べたところ、
お酒に弱い体質の人が増えるよう
数千年かけて「進化」してきたことが、
理化学研究所などの分析でわかったようです。
詳しい原因は不明だが、
アルコールに弱い体質が何らかの理由で
環境への適応に有利に働いたとみられるといいます。
4月24日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表しました。
体内でのアルコール分解には、
「ADH1B」と「ALDH2」という2種類の代謝酵素が関わります。
それぞれの酵素には、
働きが強いタイプと弱いタイプがあり、
日本人ではADH1Bの75%、
ALDH2の25%が弱いタイプ。
一方、欧米人などは、大半が2種類ともに
強いタイプをもつことが知られています。
日本人2200人の全遺伝情報を解析すると、
弱いタイプの酵素をつくる遺伝子のそばに、
まれにしか見られない多数の変異が集まっていることが判明しました。
子孫に遺伝情報が受け継がれる際に、
変異がこの遺伝子と共に失われずに
蓄積してきたことを示しており、
弱いタイプの酵素をもつことが
有利に働いた証拠の一つとみられます。
弱いタイプの酵素をもつ日本人は、
過去100世代ほどかけて増えてきたこともわかったといいます。
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