テーピングの注意事項
基本的にはさほど副作用などありませんが、いくつかの注意事項があります。
せっかくテーピングを貼付したのに、全く効果がなかったり、逆効果になってしまうことがあります。
テーピングは非常に簡単ですぐに結果が出ますが、注意事項を守りながら行ってください。
テーピングには、品質保証期限というものが存在しております。
パッケージなどでご確認下さい。
テーピングメーカー曰く、高温多湿を避け、一定の環境で保存していれば、何十年経過しても品質に問題ないというものだそうです。
ただ、実際は、冬場の乾燥や、夏場の高温多湿になる環境での保存になることが多く、特に梅雨時期はテーピングの品質が損なわれることがあるので注意が必要です。
安いからと言って、大量買いした結果、使えないということにならないよう注意して下さいね。
横置きが原則
多くの商品は、ロールにテープが巻かれている仕様になっています。
テープが巻かれているテンションは一定のため、テーピングに不要な圧がかかると、テンションが崩れ、巻く際に不都合が生じます。
テープを引き出す際に、いわゆる「引っかかったような状態」となり、これだけで、巻くスピードが落ちてしまいます。
そして,もっと重要な事は、テーピングのテンションが崩れることで、皮膚に貼付する際に、「しわ」を生み出し、それが「かぶれ」につながってしまう恐れがあります。
かぶれは,テーピングの最大の弱点であります。
テープかぶれを引き起こすと修復するまで、しばらく貼付できません。
免疫の低下した高齢者の場合、そこから菌が入り感染してしまう恐れもあります。
横置きで保存するという、ちょっとしたことが、後々貼付の際にも影響がありますので注意しましょう。
温度・湿度
高温多湿の場合、テーピングの品質が損なわれる恐れがあります。
特に粘着剤への影響は大きく、ネバつきなどを生じる可能性があります。
大量買いした場合、置き場所に困ることもありますが、なるべく一定の気温、湿度で保管できる場所がおすすめです。
間違っても、車のトランクなどで保存しないようにしてください。
未開封であれば,出荷時の状態を維持しやすいですが、一度開封すると大きく影響を受けます。
その場合、食品保存用袋のようなもので密封していれば、比較的環境の変化からの影響が少なくなります。
パッケージやカバー保護材を利用
パッケージを開封した後、そのパッケージに戻し保存することをおすすめします。
テーピングの型崩れの防止や密封をしっかりすれば環境変化からの影響も軽減できます。
また、テーピングのロール(芯)の形に合わせて、保護材がついている商品があります。
保護材はテーピングを守ってくれる役目をしているため、途中使用でもそれに収めて保管しておくことをおすすめします。
パッケージ同様に型崩れを防ぎ、さらには「横置き」しやすくなるため、大変便利です。
テーピングは横置きが原則ですが,同じ方向を下にしておくと,粘着剤でベタツクこともあります。
その場合でも保護材があれば,ベタツキを最小限に抑えることがあります。
テーピング貼付時の注意事項 ①
テーピングを貼付する前
テーピング貼付部位を必ずチェックして下さい。
皮膚に傷がある場合には使用できません。
また過度な乾燥肌の方にも貼付は注意が必要です。
テーピングを剥がす際に角質ごと剥がしてしまい、皮膚トラブルを招く恐れがあります。
次世代テープとして、ハイドロゲル(水ゲル)を用いたテープが開発されています。
これは乾燥肌の方にもある程度貼付することが可能と言われています。
過度な腫れがある場合も注意が必要です。
テーピングを巻きすぎて血流が損なわれる可能性もあります.
テーピング貼付後
テーピングを貼付した後、必ずチェックしていただきたいポイントがいくつかあります。
それを怠ると取り返しのつかない事態にもなりかねません。
シワの有無
貼付後シワができていなかチェックする必要があります。
シワができると強度が落ちたり、かぶれの原因にもなります。
また足底にシワができると靴の中に石ころが入っているような状態となり、非常に違和感を覚えます。
シワがあれば面倒でもやり直すくらいの気持ちが大事です。
上からシワを消しても意味がありません。
血行状態のチェック
テープのテンションが必要以上に強く、血管を圧迫してしまうと血流が悪くなります。
その状態が続くと、痛みや冷感、皮膚の色の変化などを認めます。
さらに血流不全状態が続くと関節運動ができなくなったり、ひどい場合は壊死(組織が死ぬ)状態に陥ります。
そこまで放って置く人はいないと思いますが、急性期は受傷による痛みもあるため,二次的な痛みと混同してしまう場合があり特に注意が必要です。
違和感の有無
スポーツ選手でも高齢者でも、テーピングをすることで現状より動きやすくなるというのが大前提の話です。
テーピングで正常な動きができなくなり、思うようなプレーができないならテーピング施行の意味すら問われます。
つまり装着後に正しい関節運動が阻害されていないか、変な違和感がないか、十分チェックが必要です。
その人に合った正しいテーピングを貼付できれば、手足がすごく軽くなったり、支えやすくなったりします。
固定を優先にすることで、違和感が生じる場合もありますが、出来る限り動きを優先できる方法が望ましいです。
一方、当然ですが、制限したい部位が十分な固定性、制動性があるかもチェックする必要があります。
使用時間のチェック
対象者がどれくらいの時間、テーピングを使用するかも重要なポイントです。
激しいスポーツ、例えばサッカーなどで前後半がある場合はテーピングが緩んでいる場合があるので、休憩時間で巻き直しの必要性があるかもしれません。
また高齢者のように、比較的長い時間貼付する場合は通気性がよい素材を使い、貼付時もかぶれ防止の方法をとる必要があります。
基本的には就寝前にはテーピングを剥がしましょう。
寝ている時にテーピングをしていても基本的には効果はありません。
ごく稀に治療的な目的でテーピングを長時間(就寝時も)使用することがありますが、皮膚トラブルを避けるためにも剥がして下さい。
重篤な障害を防ぐために
1.循環障害
急性期で腫脹が強い部位では,張れの逃げ場をつくるようにします。
手足をテーピングで一周する場合には、きつ過ぎないように末梢部の循環障害に注意が必要です。
テーピング初心者に陥りやすいのが、グルグル巻きにしてしまうことです。
このグルグル巻きは、通称「ラップ巻き」と呼ばれており、テーピングの起源である、傷ついた兵士たちに用いた方法です。
その方法を現代も使用しているトレーナーや医療従事者がいます。
確かに簡便で、痛みは軽減しますが、循環障害や運動障害を引き起こすため,テーピング上級者はほとんど使用しない方法です。
2.神経障害
神経が皮膚の浅い部分を走行している部位のテーピングでは、神経を避けるかパットをあて、神経圧迫による麻痺を避けるようにします。
特に上腕後面(橈骨神経),肘の内側(尺骨神経),膝の外側(腓骨神経)などは注意が必要です。
3.筋肉,腱の障害
筋肉や腱の部分を横断するようなテーピングをする際には、筋肉の圧迫による循環障害、腱の圧迫による腱炎、腱鞘炎を予防するために、筋肉や腱を緊張させた状態でテーピングをしたり、パット、伸縮性テープを用いるようにします。
また,循環障害同様、逃げ場を作ることも大事です。
ラップ巻きで、筋肉の圧迫しすぎる可能性もありますので注意が必要です。
4.関節の動きと靭帯の走行に注意
関節の周りに効果(必要)のない多くのテープを巻くのではなく、制限しなくてはならない動きを確認し、解剖学的靭帯の走行を考慮した上で効果的なテーピングを行います。
固定する強度、関節保護をしないといけない時期などもちろん考慮する必要はありますが、非常に多くのテープを貼るケースがあります。
限りなく少なく、必要最小限に止めましょう。
本サイトでは、テーピングを「巻く」という表現は避け、「貼る」にしています。
これは、そのような意味も込められています。
5.皮膚の状態の把握
汗、汚れ、軟膏などは石鹸で洗うか、ベンジン(アルコール)でよく拭き取り、テープが接着しやすくします。
体毛が多い場合は剃毛し、テープのずれ、除去するときの不快感を和らげるようにします。
※皮膚が敏感でかぶれやすい場合、アンダーラップを使用してください。
テーピング貼付時の注意事項 ②
シワを作らない
まず重要なのは『シワ』を作らないことです。
ではなぜシワができるとだめなのでしょうか?
テープの素材にもよりますが、テーピングは、まっすぐに垂直方向へのストレスには、何十キロという重さに抵抗することが可能です。
しかしシワが入っていたらある1点のみに、集中的に圧がかかってしまう恐れがあり、テーピング本来支えることができる力よりも軽い力で切れてしまう恐れがあり、関節や筋肉を保護できなくなります。
またシワができることで、シワの部分で皮膚を引っ張り、テーピング唯一の弱点である 『かぶれ』 を生じさせる恐れがあります。
テーピングを正しい方向に誘導し、正しいテンションで巻けばシワはできません。
シワができたということは、何かしらのサインですので、巻き方をもう一度チェックする必要があります。
※例外としてキネシオテーピングでは意図的にシワというものを作ります。
筋肉を伸ばした状態で、テーピングをゆっくり貼ります(乗せる感じで)。
筋肉が伸ばされた状態で貼付しているため、関節を中間位に戻すとテープは縮みシワができます。
そのシワで皮膚を持ち上げ、その下方にあるリンパや血流の流れを良くすることが可能としています。
それにより筋肉の状態が改善され、痛みの改善にも役立つとされています。
スポーツテーピングの理論と混同しないように気を付けて下さい。
テンションを一定に
次に重要なことはテープを貼るときは常に 『テンションを一定に保つ』 ことが必要です。
テンションを一定に保つことで、テープの行きたい方向が定まり、最短距離を通ります。
この最短距離で、関節の動きを制動します。
言い換えればテンションが一定でなければ前述したシワができる恐れもあり、制限したい動きを制限できない可能性があります。
テンションとシワは隣り合わせといえますので十分注意が必要です。
ポイントを通過する
どの関節に対してテーピングを巻く場合にも目的があります。
例えば足関節捻挫の場合には、捻挫する方向に制動をかけます。
そのテープの貼る場所は 「ポイント」 があり、そのポイントを押さえて、より効果的な部分に貼付する必要があります。
ポイントさえ押さえていれば症状にあわせてより少ないテーピングで効果が出ることが多々あります。
その一方で、ポイントがずれていると、せっかくシワなしにきれいに巻けていても、効果が半減したり、また逆効果になることもあります。
本日も最後までお読みくださりありがとうございました。
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