クルマのバッテリーにとって過酷といわれるのが夏。
ガソリンスタンドやカー用品でも
夏場のバッテリーの点検を薦められるケースは非常に多いです。
なぜバッテリーにとって夏場は過酷なのでしょうか?
夏はエアコンが効きっぱなしの状態となって
バッテリーの使用量が増えるためです。
エアコンの冷媒を回すコンプレッサーは多くのクルマの場合、
エンジンからの動力で動きますが、
冷媒に空気を当てて冷風とし、
その冷風を室内に運ぶという役目のファンは電力で動きます。
また、マイルドハイブリッドを含めた一部のハイブリッド車や
プラグインハイブリッド車、
そして水素で駆動する燃料電池車(FCV)や電気自動車(EV)は、
エアコンのコンプレッサーも電気駆動となっています。
つまり他の季節に比べて
圧倒的にバッテリーへの負荷が大きいのです。
バッテリーは暑過ぎても寒過ぎても
本来の性能を発揮できないうえに、
暑過ぎる場合は劣化の進む速度が速くなります。
一般的なクルマのバッテリーは
鉛蓄電器といわれるもので、
正極に二酸化鉛、
負極には海綿状の鉛、
電解液として希硫酸を用いた二次電池です。
寒い場合は電解液の活性が悪く
バッテリー自体が温まるまで性能が発揮されません。
しかし夏場は電解液の活性が活発過ぎて自己放電が進みやすいのです。
最近の自動車用鉛蓄電池は、
電極や電解液の進化によって
飛躍的に耐久性が向上していますが
基本的な構造は同じで、
症状は緩やかになってきているものの
バッテリーには劣化があるという現実に変わりはありません。
夏の炎天下では
エンジンルームにあるバッテリーは
かなりの高熱に晒されています。
それに比べてトランクなどに配置されている
バッテリーはそれほど高温に
晒されることは無いので寿命も長い傾向にあります。
それほど熱の影響は大きいのです。
また新車時は気にならないバッテリーの劣化ですが、
初めての車検を越えたあたりから目立ってくるようです。
そして鉛蓄電池のバッテリーは一度
「バッテリー上がり」をしてしまうと、
再充電で電圧は元には戻るようですが、
もう本来の充電容量は期待できないとのことです。
これはバッテリー上がりを起すと
電極が傷んでしまうためです。
バッテリー上がりを起したバッテリーへ再充電する場合は、
ブースターケーブルというものをつなぎますが、
これも充電するバッテリーに合わせた太さが必要で、
あまりに細いと充分な電流が流れずにエンジンが始動できません。
充分な太さのものを用意しておきましょう。
夏場は、ライトが暗かったり
エンジンの始動がもたついたりしたら、
すぐにバッテリーの点検をすることをお勧めします。
そして適切なメンテナンス、
またはバッテリーの交換を行うことで
快適な自動車ライフを送っていきましょう。
本日も最後までお読みくださりありがとうございました。